2012年6月2日土曜日

犬よ。

もしも〜♪わたしがぁ〜♫
犬を〜飼ったなら、
ジャックラッセルを飼うでしょう〜。

犬を飼いたいと思い続けてはや何十年。
もう人生も半分過ぎているのに、
未だ飼ったことがない。
賃貸で禁止だから、留守ばかりでかわいそうだから、
などと言い訳してみるが、
ほんとのほんとに何がなんでも欲しいならば飼えないことはないはず。
ということは、ほんとはそれほど飼いたくないのか? 

子供の頃、うちで飼った生き物といえば、
金魚・かたつむり・カブトムシ・カナリア・ハムスターくらいだ。
金魚やカナリアは親が世話していたので
自分のペットという感じではなかった。
カブトムシはまだしも、かたつむりを飼うなんて
どういうつもりだったのかよくわからないが、
毎夏、森へとりに行っていた。
今習っているスペイン語のレッスンで、
スペイン人の先生とペットをテーマに会話をした際、
かたつむりのことを話したら
「私もよくとりに行きました、とってきて食べました。
 美味しいですよね」
と言う。先生、あくまでペットの話ですんでね。

犬もネコも飼ってもらえなかった我が家で、
ハムスターは親が最大限譲歩したペットだっただろう。
我が家にハムスターがやってきて、私は狂喜乱舞した。
興奮しすぎたせいか、飼って数日後、高熱が出て数日寝込んだ。
枕元にハムスターのカゴを置き、目が覚めるたびに
もうろうとした状態でそれを眺めていた。
ハムスターはクルクルと車輪の中でまわったり、
細かく切った紙の下にもぐったりしていた。
カゴの戸を開け、手を入れてハムスターをつかむと、
それまではいつもチョロチョロ逃げまわって
ちっともつかまえられなかったのに、
その時はおとなしく手のひらにのってくれた。
ああ、私はハムスターを1週間で手なづけたんだ!
もしかしたら、私が病床に臥せっていることを察して
優しくしてくれているの?
なんと、いとおしいことか。
軽くほおずりをした。

しかしそれにしてもずいぶんおとなしいんだなあ。
オイ。お腹が空いてるのかい?
と思ってよくよく見ると、瀕死状態だった。
いや、もうほとんど死んでいたかもしれない。
ひぇぇぇっ。
高熱も一気に下がるくらいに凍りついた。
手のひらにのっているのは、
もはや愛らしいペットのハムスターではなくネズミの屍だ。
むろん悲しみも大きかったが、
それより恐さや気持ち悪さが勝っていたように思う。
純粋に悲しいだけではない自分という生き物に対しても、
少し、恐くなった。

犬が好きだ。ネコも好きだ。
できることなら両方1匹ずつ、いつか飼いたい。
だけど、ひょっとしたら、
自分は心底から動物好きではないのかもしれない。
今やハムスターは触れないし。
子供の頃から動物を飼い慣れている人とは、何かが違う、と思う。
慣れの問題だろうか。

昨日、お邪魔したお家では、
憧れのジャックラッセルを飼っていた。
私は撫でまくった。
しばらくは相手をしてくれたが、
やがて、飼い主の足下へと行ってしまった。




チャムの飼い主、井出綾さんはプランツスタイリスト。
季節の花を使った、さりげないアレンジメントを得意とする。
http://www.facebook.com/ayaide.soleil





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