2014年12月25日木曜日

スパイスカフェにてクリスマスコースを食す

たいして忙しくもないくせに多忙なフリをして、
このところブログが若干滞っておりまする。
渋谷のユーロスペースでフランス映画「やさしい人」

http://tonnerre-movie.com/index.html

を観て、良かったよ〜という感想を書こうと思いつつ、
ちょうど上映終了となってしまい(まだこれからの映画館もあります)。
他にも、スーパーマーケットのBGMにつられてクリスマスソングの鼻歌を歌うのは
決まってオヤジであるという私のリサーチ結果や、
試食販売の人に「べったら漬け、持ってきてるんですけど???」と
スルーした私を信じられないという非難が混じった声色で言われ、
べったら漬けはいつからそんな地位を確立していたのかという案件、
あるいは久しぶりに徹夜で飲み明かして(といっても酒に弱いのでたいして飲んではいない)
朝帰りした後、やたらにお腹がすく、ああ、なるほど、
眠りが足りない分、体は生命の危機を感じて食欲に走るのだと思い至ったこと、
あるいは、電車に乗ったら、こんなふうに手袋が残っていて、


いったいどうしたらこうなるのだろうと思った等、
まったく取るに足らない今日この頃でありました。



本日のお昼に、私は押上のスパイスカフェへ、
クリスマスの特別コースをいただきに行ってきました。
今年上半期の私の仕事であった、レシピ本『SPICE CAFEのスパイス料理』
での労いといいますか、あるいは
どうせクリスマスを一人寂しく過ごしているに違いないという慈悲のお心からか、
伊藤シェフがご馳走してくださるとのこと。
その代わり、「ビシビシと厳しい批判をしてくれ」という
SMプレイのアフターフォローが条件であります。



1品目は「山羊ミルクのパンナコッタ パラダイスシードの香り」。
パンナコッタはシェーブルチーズのような酸味はなく、まろやかなコク。
パラダイスシードとはガーナ産のしょうが系スパイスだそうで、
花のような香りと、かんだ後にはピリッとした辛味もあっておもしろい。


2品目は「温野菜のサラダ   コリアンダー、フェンネル、ディルの香り」。
野菜は長野のアトリエノマド産。
いつもは使っていないトリュフにもチャレンジしたいとのことで、
墨田区のお隣、台東区のフレンチ「オマージュ」の荒井シェフをご紹介し、
仕入れにご協力をいただいたもの。


スープは「バターナッツ   アニス、カロンジ、シナモンの香り」。
カロンジというのはニゲラとか俗称でブラッククミンとも呼ばれるスパイスで、
これがよくマッチしていた。
スープに動物性のブイヨンやクリームを使用していないので
スープ自体はあっさりめだが、スパイスとの相性を楽しむという点では
それでいいのではないか。




魚料理は「真鯛 バナナの葉包焼き」。
カスリメティ(フェヌグリークの葉)とシナモンの香りをまとわせた上品な美味しさ。


肉は「放牧赤牛のグリル」。
伊藤シェフが出張料理教室で出会った、
高知県室戸の赤牛をスパイスとヨーグルトでマリネしてからグリル。
つけ合わせは室戸の無農薬レモンのインド風スパイスピクルスと、
サヴォイキャベツのスパイス炒め。


そしてカレーは写真上から
「放牧赤牛の煮込みカレー」「カニミソカレー」「イカワタカレー」。
お客さんの反応は、イカが一番好評だったとか。
私は牛・イカ・カニの順だな。


小さなデザートとして
「濃厚なチョコレート スターアニスとサフランのジェラート添え」。
チョコレートは焼きたて。右下のオレンジ色のものは金柑のコンポート。
スパイスがちりばめられて楽しげ。


更に「苺のショートケーキ」も登場。
ショートケーキといっても結構なビッグサイズ。
アットホームな雰囲気ですな。

ワインも少しずつ3種いただき、最後はコーヒーで締めていい気になっていると、
伊藤シェフから「タダでは帰さない」「褒め言葉は無用」と
ムチを要求されたので、ペチペチという程度に叩いてきました。

昼夜とも今年のクリスマス(12/21〜25)はこちらのコース(6300円)を提供。
残念ながら本日で終わりですが、ご興味のある方は来年にぜひ。
きっと、よりパワーアップした内容になっていることでしょう。




2014年12月12日金曜日

シェフ105号発売!!



『シェフ105号』冬号、昨日完成しました!
書店売りは12月25日です。
直販は昨日より承っておりますので、よろしくお願いします!! 
表紙は「新世代のシェフによる明日のスペシャリテ」に登場いただいている、
オテル・ド・ヨシノ 手島純也 氏のジビエのトゥルトです。
巻頭特集「一人の厨房」では、TeF、レストラン・エクアトゥール、シェ・ウラノを取材。
第2特集「新たな味の発見、コンディマン」ではランベリー ナオト・キシモト、
ブラン ルージュ(東京ステーションホテル)、moriのコンディマンを多種紹介しています。
グランシェフはヌキテパ、ル・ジャルダン・デ・サヴール、
他にフランス料理店はジョンティ アッシュ、オオハラ エ シーアイイー、
ラ・ベ(ザ・リッツ・カールトン大阪)、セルトウキョウ、プロヴィナージュ、レストラン セビアン、ビストロ ポンヌフ、アベー、ビストロ・デ・シュナパン、パレスホテル東京、
リベルテ・ア・ターブル・ドゥ・タケダ、アムール、レストラン メイ、銀座シェ・トモ、
ル・ブルギニオン、ル・ヴァンキャトル、クロスダイン(ホテルメトロポリタン)、
イタリアンはビッフィ・テアトロ。
「地方のレストランを訪ねて」は高松のトモシロイノウエ、
「マダムインタビュー」はトレフ ミヤモトを掲載。
掲載店の皆様、ご協力ありがとうございました。



2014年12月7日日曜日

ヨセミテにやられスウェーデンに癒される

昔、群馬方面に取材に行った際、
せっかくだからついでに尾瀬でも寄ってみっか、と
その辺を歩いている人に「すいません尾瀬はどっちでしょう」と
聞いたら「その格好で行く気か?」と目を丸くされた。
尾瀬なめんなよ、ということらしい。

そのイタイ経験をなぜ今回生かせなかったのだろうか。
MacBookAirにヨセミテを入れてしまった。
うかつだった。
私はWord2008を使っているため、これは対応しておらず、
一応使えるものの、動きがものすごく遅くなってしまった。
Wordとは関係ないけど、フォルダの色がどぎつい蛍光の水色で目に悪い。
その一方、iPhoneにかかってきた電話をPCで受けて
ハンズフリーで話せるという便利な機能もあるのだが、
それも知らんかったので、
両方で着信音が鳴り出した時にはあーた、びっくりたまげたサー。

広大なヨセミテ国立公園の山麓を、軽装であてもなくさまようハメになっとるのだ。
知人に聞くと、ダウングレードがどうの、
Word2011評価版でどうの、タイムマシン使っていなんすか?等、
アドバイスをもらうも、
言ってる内容を理解するのに時間を要するというか
理解する気がないというか。

途方に暮れているところに、器が届いた。
少し前にネットで購入したものだ。



こちらはスウェーデンのロールストランドの小ぶりなティーポット。
側面のウロコ模様がアクセントになっている。
1970年前後のヴィンテージ品だが、キレイな状態。
茶漉しがついておらず注ぎ口が大きいので、料理のソースポットにも使える。
この雰囲気、私には紅茶よりもコーヒーのイメージ。
コーノ式ドリッパーがちょうどぴったりのっかるので、
一人の来客時にコーヒーをいれるのに使おう〜。




ついでにもういっちょ、買ってしまった。
こちらも同じくスウェーデン製。
バターナイフつきのボウルスタンド。
ブランド名や年代は不明だがそんなに古くはなさそう。
バター不足の折、こんなにたっぷりの容器にバターを入れることはなさそうだけれど、
何かディップでも作って入れたらいいかも。


いいなあ、器の世界は。
40年以上もの時を経た異国の地のモノが今こうして私の手の中にある。
お茶をいれて注ぐその行為にアップもダウングレードもありはしない。

そんなふうにしばし、器たちに癒された私であるが、
目の前のパソコンは相変わらずヨセミテにあり、遭難中なのだった。
器は買っても、最新のWord購入には二の足踏みっぱなし。
ディップ&パンの食事にコーヒーもいれるから、
その代わり誰かぁ〜助けておくれぇぇぇー。