2013年10月28日月曜日

いろんなもの食べなきゃ

エルサレム旅日記1で、トルコ航空の機内食、
間違って、ベジタリアンオリエンタルミールを選ぼうとしていたと書いた。

http://yumikowatanabe.blogspot.jp/2013/09/1.html


この時はそれがどんなものがわかっていなかった。

アジアンテイストの野菜料理かと思っていた。
後で調べてみると、
菜食主義で、なおかつ
五葷(ごくん)と呼ばれる食材(にんにく、ニラ、ラッキョウ、玉ネギ、ネギ)は
とらない人をオリエンタル・ベジタリアンというのだそうだ。
もともと東洋の仏教信者の食事からきているらしい。
ビーガン(動物性食品を一切とらない、乳製品やハチミツも。vegetarianからvegan)は
知っていたが、オリエンタル・ベジタリアンは知らなんだ。
他にも、ラクト・ベジタリアン(乳製品はとる)、
オボ・ベジタリアン(+卵)、ラクト・オボ・ベジタリン(+乳製品・卵)、
フルーツやナッツ、トマトなど、それを食しても植物自体の生命を奪わないものだけを
食べるフルータリアンという主義者もいる。


私の友人(女)で、逆に野菜をまったく食べないという人がいる。

子供の頃からで、ときにはがんばって口にしてみたこともあるが、
本当に吐きそうになって身体がまるで受けつけないという。
私は野菜不足がしばらく続くと不調になるが、
彼女はとらずに今日まで40年以上生きてきて、
それで特に問題が(今のところ)ないのだから、
そういう身体の人もいるのが事実なのだ。

自分は何タリアンであるかな。

オバタリアンなぞという、山田くん座布団全部持って行きなさい的な
昭和ベタなことは言いませぬ(←言ってるよ)。
まあ何でも食べるので、オムニボア(雑食動物)ですな。
肉だけ、野菜だけ、フルーツだけ、ではたぶん、耐えられない。
ついでに、“何とかずくし”みたいな単一素材のフルコースも好みではない。


イスラムにおける食の規律では

(食してよいものはハラール、ダメなものはハラーム)、
豚肉、血液、酒、カニ、カエル、カメなどは
食してはいけないことになっている。
海老やイカ、タコ、貝類などはダメではないが、
基本的には食べないらしい。
ユダヤ教の規定はカシュルートといい、
豚や血液、馬、甲殻類、イカ、タコ、貝類などが禁じられている。
乳製品と肉の組み合わせもダメ。

食べてはいけないものが多々決められている人生ってどんな感じだろう。

どんなもこんなも、すべては神の教えであり、
何の疑いもなく、背くこともないのだろうか。


先日、ホテルで取材していた際の話。
外国人客は鉄板焼きや寿司が好きだが、
しかし、例えばピチピチ生きた海老などを見せて
その場で調理するのは要注意、人によっては完全に拒絶するとのこと。
生きていなくても、尾頭つきの舟盛りなんかも苦手な人が多いようだ。
(むろん外国人全員ではない。国や宗教等によっては平気な人もいる)
まあ、日本人も、本当のところ、暴れているのを焼くところを見たり、
踊り食いみたいなことをみんなが喜んでいるかというと、
そんなこともない気はするが、ほ乳類や鳥類に比べたら、
魚介が生命を絶たれる瞬間に立ち会うことは比較的、大丈夫だろう。
どちらも命の重さにかわりはないはずだが、
動物の場合、人間に近い血肉を持っているがゆえ、
かわいそうという情のようなものと気持ち悪さの両方が入り交じって
屠殺場面はむろんのこと、毛をむしったりはいだりなどの解体も
見たくない人のほうが多いはず。


アメリカ在住で、いま、仕事を組んでいる日本人料理研究家にそのことを話したら、

「どの土地でも海に近く新鮮な魚介が手に入る日本と異なり、
 アメリカでは1日かかっても到達しないような内陸の地が多くあり、
 鮮度は当然落ちるため、切り身の冷凍品などが主になる。
 また、趣味の釣り人口が日本は多いが、アメリカではライセンスが必要。
 そうした環境では、尾頭つきの魚は見慣れていない。
 一瞬で仕留めるハンティングと違い、長い断末魔のような状態を見るのは
 食欲減退の何ものでもない」とのこと。
なるほどなあ。

ちなみにホテルの窓からは築地市場が見えた。

築地ツアーは相変わらず外国人客に大変人気があるらしい。
マグロ解体なんかはイヤじゃないのだろうか。
ピチピチ跳ねたりしないから平気なのかな。
自分の口に入る食べものを見に行くというよりも、
ジャングルクルーズのようなアトラクション感覚なのかもしれない。

そんなことをあれこれ考えていたら、
帰りに寄ったスーパーで、
小さな女の子がお菓子を買いたいと駄々をこねていた。
ダメよ、と言う母親に、女の子は
「いろんなもの食べなきゃ大きくなれないんだよっ!!!!」
と叫んでいた。










2013年10月21日月曜日

飛び出す絵本はいかが?

子どもの頃、飛び出す絵本、好きでしたねえ。
今どきは、ポップアップ絵本とか、しかけ絵本というのですが。
ストーリーよりも、いったいどういうしかけになっているのだろう?と
その構造のほうが気になって、ついつい紙を引っぱりこわしてしまったりして。

大人になっても、絵本っていいものですが、
特にしかけ絵本は、さすがにもう乱暴に扱うことなく、
いい子にして見られると思うので、
雨でおそとに出るのがおっくうな日など、
のんびり眺めるのにもってこいでございましょう。

オススメはこちら、私が編集者として仕事させてもらっている、
アノニマ・スタジオより発売してる2冊です。
『オセアノ号、海へ! 』『ナマケモノのいる森で』
タイトル通り、ひとつは海、もうひとつは森を舞台にしたもので、
そのシチュエーションならではのしかけに、
おお〜!! なるほどねえ〜と感心すること間違いなし、
子供よりもむしろ大人のほうがより楽しめる絵本です。




しかけの様子はネタばらしになるのでお見せしたくないけれど、
お子さんや友達にプレゼントしたいから知っておきたい、という方は
こちら「絵本ナビ」さんに詳しく出ているのでどうぞ。

http://www.ehonnavi.net/ehon/90224/オセアノ号、海へ!/

http://www.ehonnavi.net/ehon/82979/ナマケモノのいる森で/



2013年10月14日月曜日

なべころ坂

人生には三つの坂があるといわれている。
上り坂、下り坂、そして、まさか。( ̄∇ ̄) 

いや〜「なべころ坂」なる名前の坂があるとは知りませんでした。
これぞまさしく、まさか! である。
うん?そういう意味ではない?
まあまあ、いいじゃありませんか。

なべころって、なんなんだそのふざけた名前は。
ワタナベとしては、一度見ておかねばならない。
というわけで、行ってみました。

場所は目黒区中目黒4丁目、祐天寺から近い。
このあたりは坂道が多く、
ここがなべころ坂か?いやここか?と勘違いしそうになる坂がいくつかある。


あったあった。坂上に解説が書かれていた。
なんでも、その昔(っていつなのか?)、
鍋が転がるくらい急坂であったことからその名がつけられたそうな。
なるほどね〜、と素直に納得。できないのが私の悲しい性分。
鍋が転がるくらい、という表現は、果たして適切なんだろうか。
もともと丸っこいものだから、そんなに急坂でなくても転がりそうな気もするが。
なんで茶碗坂とか桶坂ではなかったのか。
答えは風のなか〜by ボブ・ディラン。

が、もうひとつの説があり、道に粘土(赤土層)が露出した状態を
このあたりでは「なべごろ」と呼んでいたそうで、そこから変化したとも。
こちらのほうが信憑性が高い気がするが、
鍋がコロコロのほうが日本昔ばなしっぽくておもしろいから、
やっぱり鍋が転がる坂と思うことにしよう。

勾配15%の表示。それも結構な長さがある。
たまたま坂の上に出たから良かった、上るのは少々難儀だろう。

まさかな「なべころ坂」をワタナベが転がるように下りてみましたとさ。
めでたし、めでたし。(人生下り坂とか不吉なことは考えません)

追伸: 坂のふもとには、「中目黒大使公邸」なる立派な建物が。
    世には多くの何とか大使が存在するが、まさか中目黒限定の大使がいて
   こんなにゴージャスな所を与えられているのかーとびっくり。
   鍋の形をしたゆるキャラ「なべころりん」と共にただいま中目黒のPR活動中。
  (もちろん信じないように。各国の大使公邸が集まっているんだそうな) 







2013年10月7日月曜日

秋浅き、となりは何をしとんのじゃ。

今日は1日家で仕事。
朝、窓を開け、新鮮な空気を取り入れる。
庭のオリーブの木は今日も元気だ。
スズメだけでなく、なんだろう、シジュウカラ?みたいなのも
やってきて鳴いている。
キジシロの野良ネコが悠々と横切っていく。
キンモクセイの香りをのせた風がカーテンを軽くゆらす。
ああ、秋ですねえ。

さあて、やるぞー。とパソコンに向かう。すると。

ギャーハハッ!!!!!!!

あんっ? また始まったのか?
勘弁してよ〜。

となりのクソババアである。
あら、いやだ、ワタクシとしたことが、言葉がお下品でした、
となりのご婦人宅から、とんでもない奇声が響いてくるのでございます。

昨年くらいだったか、新婚夫婦に子供ができて引っ越し空いた隣室に
このご婦人が入居した。
入居する少し前の頃、やはり自宅で仕事をしていたら、
見知らぬ中年男と若い女が私の庭先に台車やら土の入った袋やらを置いて、
となりの庭先にレンガを積んで花壇を造り始めた。
うちの庭はちょっと変わっていて、
テラスの先にコンクリートの小径のようなスペースがあり、
隣家と区切る壁はテラス部分までしかない。
だから、野良ネコがその道を通り抜けられるのだ。
しかし一般の道路には面していない内庭みたいな向きのため、
よその人が歩くということはありえない。
その小径までがそれぞれの家の占有スペースとなっている。

花壇を造っていることで、となりに引っ越してくるとわかったわけだが、
なにゆえアタシの庭にいろんなものを置いているのか?
自分たちのテラスの範囲内に置くのが当然ではないか。 
私は庭に出て、苦情を言った。まず一言挨拶があるべきでは?と。
すると、男は慌てて謝り、荷物をどかしながら、
「引っ越して来たらすぐ挨拶にうかがうと思いますので」
と言う。思いますので??
彼らはガーデニングの業者で、住む人ではなかった。

たまたま別の用件で不動産屋に連絡することがあったため、
ついでにこの件を報告した。
すると、不動産屋は、それはいけませんねと言いつつ、
「おとなりは元女優の方がセカンドハウス的に使うためお留守のことも
  多いとは思いますが」
と(他に2、3のことを含め)聞くつもりもなかった個人情報がダダ漏れだ。
ふーん、ガーデニング業者にわざわざ頼むくらいだ、さすが元女優、
お金に余裕がおありなのね、きっと。
しかしこんな何もないただの住宅街にセカンドハウスねえ?

それからしばらくして、となりに人の気配を時折感じるようになった。
が、何週間何カ月経っても、とうとう挨拶には来なかった。
そのため、未だ元女優の顔を知らない。
世間知らずの若者ならいざ知らず、いい年をした女性が
隣人に引っ越しの挨拶をしないとは驚きだ。
私が真面目すぎるのかしらん。

というわけで、スタートから印象が良くないんである。
そこに加えて、この頃、ティーパーチーだか、
元女優を囲んでファンクラブ交流会だか知らないけど、
婦人仲間数人がドヤドヤとやってきては騒ぐのである。

たまにならいい。節度ある談笑ならそんなには気にならない。
あるいは頻繁であっても、窓を閉めてやっている分には、そうそう聞こえないはずだ。
ところが、おとなりは窓全開、そして数十秒に1回大爆笑、
しかもそれが数日に1度くらいの頻度で行われ、午前中から長い日は夕方まで続く。
いったい何がそんなにおもしろいのか?うるさいを通り越して不気味ですらある。
仕方ないからこっちが窓を閉めるハメになるのだ。

しかし耐えきれず、不動産屋にチクッた私。それが2週間前。
すぐに注意するとのこと。
先週はほとんど昼間自宅にいなかったので様子はわからず、
明けて今日、月曜日に、またしても爆笑ティーパーチー開催! なのだ。
キンモクセイの風は、品のない中年女たちの笑い声でトイレの芳香剤に成り下がった。
アタシの秋を返せー。

再度、不動産屋にチクる。
窓を閉め、BGMのボリュームを気持ち大きめにする。
イヤホンにすれば完全に外の音をシャットアウトできるだろうが、
それだと私の場合イマイチ仕事に身が入らない。

心地良い秋を奪われたので、もいっかい夏に逆戻りしようっと。
BGMはこちら、Booker T、Jamaica Song(CMで有名)が入っている「Evergreen」。




明日も自宅で仕事なのだが、果たして大丈夫だろうか。
もしまたウルサかったら?
こちらも負けずに布団叩きで布団叩きながら「か・え・れ」ってやってみるか。
隣人戦争はこうして起きるのでしょうね。