2013年3月29日金曜日

チェックのイメージ





どうなの。チェックばっかり。
いや、ボーダーもかなり多いし、無地だってもちろんあるが、
こんなに似たり寄ったりのチェックのシャツ、
くり返し購入して、どうする気なのだ。いつまで続けるのか。
何で買っちゃうのか。何らかの軽い病気か。
ちなみに、チェックの服って、
会っている相手に対して一番印象の残らない服なんですってね。
だからアキバ系オタクはチェックのシャツを無意識によく着ているって
以前テレビでやっていた。
でも、そもそもチェックといえばスコットランドで生まれたタータン。
氏族ごとに独自の柄を持ち、戦場では敵・味方を見分けるのに用いた
というではないか。位が高くなるほど色遣いが多色で複雑だというし。
気品高くも地味にもなりやすい、それがチェック柄ということか。
ひょっとしてアキバチェックにはいろいろ系統があって、
彼らの間では、ああ、あいつはあの柄だからコミック系だ、
なぞと判別をつけているのだろうか。
私は私で、何の気なしに着ているタータンチェックが、
まるでどこかの家紋つきの着物を着た外人みたいに
ある土地の一族が見たら、戸惑われるようなことになっているのか。

タータンだけじゃなく、マドラスチェックもある。
こちらはインドのマドラス(チェンナイ)地方発祥だという。
タータンのトラッドなイメージに対し、
マドラスはもっとラフでカジュアルなイメージが強い。
それからギンガムチェック。ギンガムの語源はマレー語からで、
もともとはストライプだったのが、イギリスに渡ってから格子柄に変化したらしい。
(なぜマレー語なのか、ストライプのギンガムは
どこの国で生まれ作られていたのか、ネットで調べても出てこない)
ギンガムは子供服によく使われるせいか、どこか幼い可愛いイメージがある。
あるいは可愛いイメージだから子供服に使われるのか。
ユニフォームにも使われ、つまりユニセックスな感じがする。
ギンガムはエロさの対極にあるのだ。
ボーダー女はモテないと言われるが、ギンガムチェックも
おそらく一般的に言って男受けは良くないだろう。
AKB48の歌でも“マニッシュだね”って言ってるが、
この場合、歌の主の男はすでに相手の女にぞっこんな設定であり、
君は無邪気で 服はマニッシュと
エロさの対極のギンガムを引き合いに出すことで逆に
(それなのに君からはエロさがにじみ出ている)あるいは
(だけど君のことをボクはエロい目で見てしまっている)
ことが浮き彫りにされているのだ、たぶん。
(すいません、テキトーに言ってます)

ギンガムチェックを着た男というのも、どうだろう、
ギンガムにオーバーオールを着たおじいちゃん、みたいな
あるいはGデザイナーとか草食系男子などに多く見られるような、
ちょっとカワイぶっている男=恋愛市場には身を置いていない
あらわれな気がする(事実かどうかは知らないけど)。
そういえば、この前、仮釈放された元ライブドアの堀江氏も
ギンガムチェックのシャツでしたねえ。


2013年3月22日金曜日

シェフ98号 発売!























宣伝でございます。
『シェフ98号』春号が出来ました! 
書店売りは3月25日ですので、そろそろ並ぶ頃ですね。

巻頭特集は「オマール海老料理 定番からの進化」です。
ポワレ・サラダ仕立て・ビスクを共通テーマにし、4人のシェフに
それぞれ作っていただきました。他にもロティ、シヴェ、テルミドール等。
よろしくお願い申し上げます!! 


フリーになってからは、監修的立場となり、
私自身が取材に行くことはほとんどないのが少々サビシイ。
やはり、取材撮影をしてシェフの考えをお聞きするのが一番タノシイ。
ベテランクラスのシェフたちはよく知っているけれど、
新しい世代のシェフたちとの接点が薄くなっているのでイカンな。
デスクワークが増えたせいか、近頃どうも膝が痛むようになってねぇ〜。
よっこらしょ、っておいおい〜、もうコンドロイチンにグルコサミン飲まなきゃか??
やだやだー。もっと現場に関わる仕事をしていこう。




2013年3月16日土曜日

黄色い春

先週の煙霧とやらは本当にすごかった。
地下鉄から外へ出たら、世界が黄色がかっていた。

ただでさえ花粉がひどいと騒がれているのに。
春はだいっきらい、春なんてなけりゃいいのに、
と、みな口を揃えて吐き捨てるように言う。
ようにと言うか、本当に鼻水と涙を流し、イガイガした喉で言っている。
春生まれの私としてはなんとなく悲しい。
しかしそもそも春は無意識でいても自律神経が乱れやすく、
つまり体調が不安定になりやすい季節なのだ。
春に山菜を食べるのは、冬の間に体内に蓄積された老廃物を排出させるためというし。
春自体には罪はない。いや、やっぱり春のせいなのか?
これ以上春が嫌われていったら、春はどうなるだろうか。
春がもし人間だったら、耐えられないよね、
クラス全員から「オマエキライ」って言われるんだから。
引きこもるか、自暴自棄になるか、死にたくもなる。
春はかわいそうだな。
完全に金子みすゞぶってるな、私。

この時期は、いくら掃除してもすぐに床やテーブルがざらつく。
(あ、私ウソをつきました“いくら掃除しても”の部分)
黄砂のせいで掃除が大変だという話題があがるたび、
私の脳裏には、砂を淡々とかき出す岸田今日子の姿が浮かぶ。
そう、安部公房の「砂の女」だ。
安部公房は私の好きな作家の一人。
(あとから自分と誕生日が同じと知り、
だから何だってことはなんもないのにウレシイ)
非現実的で不思議なモチーフを用いながら、
考えさせられるのはものすごく現実的な世界。
何をもってして正常・異常とするのか、自由・不自由とするのか、あるいは
人は何か得体の知れない恐ろしいものへ惹かれる精神を持っている等。





そうして砂の女の気分になりながら掃除をしていたら、
ネット通販で購入したテーブルクロスが届いた。
黄色に青色の線の入ったリトアニア製リネンのクロス。
これなら黄砂もカモフラージュされるかもしれない。



私は黄色は好きではない。
単体としての黄色は好きではないのだが、青色が何より好きで、
青色との組み合わせとして黄色をチョイスする傾向にあるのだった。
あくまで脇役であり、あなたの好きな色は?と聞かれたら決して黄色とは答えない。
白や黒のほうが好きだし、それらは青と相性もいいのに、
黄色で温かさや明るさを補っている。
じゃ、それって結局は好きということになるのだろうか?
なのにどうして認めたくはないのだろうか?
煙霧や黄砂、古くはカレーにがっつくキレンジャーのイメージのせいか。
かわいそうだな、黄色。
再びの金子みすゞ。


2013年3月10日日曜日

花の教室

急に春めいてきた。
もう、厚ぼったいセーターやブーツなど着用していたら
ダサイ女モードになる。
スプリングコートが欲しいと毎年思いながら
何となくもたもたして
「春って何を着たらいいかわからないよね〜」と
お決まりのセリフを言っているうちに夏がやってきてしまう。

とはいえ、冬物はクリーニングへ、というのは早計だ。
油断してはならぬ。
3月のうちは、もうひと山ふた山、冷え込む時が必ずあるのだ。
春を先取りしてスプリングコートなんぞ着ていると、
雪が降ったりなんかして風邪引くぞ
(何かスプリングコートに恨みでもあるのか?)
低血圧のせいか、私は朝起きてからしばらくは寒くて仕方なく、
4月でも暖房をつけてしまうくらいだ。

というわけで、春は名のみの〜な感じではあるが、
これからの季節の気分にふさわしい、花の本のご案内を致します。
(あ、私が手がけた仕事ではございません)

プランツスタイリストの井出綾さん、以前私のブログでも
ちらっとご紹介したことのある方。

http://yumikowatanabe.blogspot.jp/2012/06/blog-post.html

ショートヘアがよく似合うチャーミングな井出さん、
これまでにも何冊か手掛けていらっしゃいますが、
新刊『花の教室』(グラフィック社)が先日発売されたばかり。




25人の相談者が登場し、花の生け方で知りたいことを質問、
それに対し著者がアドバイスするという、おもしろい趣向。
その他にも、2・3・4種類の花を使った季節ごとのアレンジなどもあり
読み手があります。
このワタクシめも、25人の1人として出ております(顔写真つき。キャー)。
聞きたいことをあれこれ提出、その中から私の質問として採用されたのは
「薄暗い洗面所に飾る花の選び方は?」
我が家の洗面所は窓がない、なので日光が入らない洗面所で
どんな花が飾れるのかな?と思って聞いたわけなんですけどね、
薄暗いって何だかホントに陰鬱とした響きだわ、
アドバイスにならい、花を飾って、
スプリングサンバでも踊って春を呼び込もうっと。


2013年3月6日水曜日

朝食、昼食、そして夕食

今日は試写会に行ってきました。
4月27日より新宿K'sシネマ等で公開される、
スペイン映画「朝食、昼食、そして夕食」。
原題は「18comidas」、18の食事という意味。
さまざまな、なおかつ何らかつながりのある人たちの、
とある1日を、3食の食卓を中心にオムニバスで描いている。

いくら電話しても家に来てくれない彼女を、
朝昼晩と食事を作っては待つ脇役俳優、
昔、互いに愛し合っていたのに、他の男と結婚し、子供もいる主婦から
久しぶりに連絡が入り昼食に誘われるストリート・ミュージシャン、
親子ほど年の離れた恋人がいるが若い男と一夜を過ごした女など、
それぞれの人生が、なかなか小気味良く描かれている。
特におもしろかったのは、同棲しているゲイカップルかな。
昼食を食べに来た兄に、最初はゲイであることを隠す弱々しいタイプの弟だが、
マッチョな恋人の言動はもう火を見るより明らか。
ショックを受け理解を示さない兄に、ジレて泣きべそをかく弟。
おかしいようなせつないような。

一言も会話を発さず、淡々黙々と3食を食べる老夫婦が
出てくるのもアクセントになっている。
小さな台所で壁に片側を寄せた小さなダイニングテーブル、
質素な食事、グラスを持ったりオーブンの扉を閉めたりする時に
アップになるシワだらけの手が2人の長い歴史を物語っている。

ダイニングの外、つまり街の音(鳥のさえずりや車の喧噪など)が
さりげなく背景に入っているのも日常の食卓のリアル感が出ていて良かった。

結局、人はどこまでもエゴイストであり、食卓はその我が出る象徴の場だと思った。
人を食事に誘ったり、美味しいものを食べさせたいと思うのも、
それはつまるところエゴである気がする。
この映画はそんなことテーマにしていないかもしれないが、私はそうとらえた。


ただ、パンフなどのキャッチに「やっぱり人生は最高のスパイス!」と
つけられているのだが、んーこれはよくわからん。
人生=スパイスなんだったら、
それを振りかける根幹となるものは人生以外の何になるんだろうか? 






2013年3月2日土曜日

確定申告書提出

突風吹きすさぶ中、税務署へ初めての確定申告を提出に行ってきやした。
相当な混雑だろうと思いきや、朝10時前だったからか、
室内に張り巡らされた長いロープの列には誰もおらず、
あっちゅう間に終わりました。
数字計算関係が大の苦手な私、果たしてちゃんと提出まで辿りつくのか、
この2カ月間は不安で眠れぬ日々が続いたような、
しっかり寝ていたような。
食事もろくに喉を通らなかったような、
がっつり食べていたような。

♫季節が都会ではわからないだろうと〜と
千昌夫の母は言うが、んにゃ、充分すぎるほどわかりましたよ。
(ちなみに「北国の春」というと東北をイメージさせるが、
 作詞のいではくの故郷、信州がモデルなんだそう)
ここ数年「私は花粉症を完治した」と豪語し、
奇跡の人、と羨望のまなざしを友より得ていたが、
家から税務署まで徒歩で10分強、
一応、都会ながら、この辺は畑や植木園が多いゆえ、
くしゃみ連発&鼻水が垂れ、春をなめたらいかんことを実感したのだった。
私以外には見渡す限り誰一人歩いていないので、
北国の春を熱唱してもよかったのだが、
何なら履いているブーツを長靴に見立てられたのだが、
ああいうところって、タクシーとかバス、トラックの運転手たちが
ポツンポツンと停車している。
さぼっているのか正規の休憩なのかわかんないけど、
なぜか運転席の窓を開けているのだ。
歌えそうで歌えない、ので
小声で「すぃらかば〜あおぞぉら♫」と唱えた。
その後、立ち寄った駅前の商店街で、
飼い犬が電柱で用を足している間、
ムード歌謡のようなものを歌っているおばさんを見た。
いつの日か私もその域に到達できるだろうか。


帰宅して原稿を1本書いた後、夜は同じ沿線に住む友人M.Mと焼き鳥屋で一献。
彼女は20代の頃、一緒にデスクを並べ働いた仲のGデザイナー、
結婚して子供3人を育てつつフリーでデザイナーを続けている。
当時、同じくデザイナーの同僚だったE.Tはやはり結婚退職して3人の子をもうけた。
頼んだ覚えはないが、みんな、私の分まで産んでくれてありがとう。
今日はMと2人だけど、3人でも年1回は会うようにしている。

Mの長女が小学3年くらいの頃、
独身である私に対し、こうアドバイスをしてくれた。
「まずは気軽なランチから。ランチでもどうですか?と男の人に言うの」
「ランチの前にお風呂に入り、スカートをはいてお化粧して行くのよ」
驚きである。10歳になるかならないかの子が、いったい何を言っているのか。
「ど、どうしてお風呂に?」
「だって、臭かったら嫌われちゃうでしょ」
ごもっともである。思わずメモをとりそうになった。
「で、もし嫌われたらどうすればいいのですか?(←もはや敬語)」
「そん時は1回泣いて、また別の人とランチすればいい」
チミは竹内まりやか? どこでそんな情報を仕入れたのだろう。

そんな彼女もこの春から中学1年生。私立の女子校に行くという。
ランチでもいかが?と彼女自身が男子を誘う日は遠いのか、案外近いのか。
ランチ+スカート+化粧のテクニックには有効期限があるよ、と
今からアドバイスすべきか否か。