2016年4月24日日曜日

木を買う女2016

今年はもうやめようと思っていた。
小さな庭には、すでに何本もの木がある。
庭といっても地面の土はなく、すべて鉢植えだ。
うちに来た友人はみな口を揃えて言う、
「これ、次に引っ越す時にどうするのかね?」と。
デスヨネー。

それなのに、私は今年も朝一番で農協の植木祭りにいそいそと出かけてしまった。
この欲望はどこからくるんだろうか。

↓ちなみに、我が植木のアーカイブ。

http://yumikowatanabe.blogspot.jp/2015/04/2015.html


「あ、奥さん〜去年、クロモジ買ってくれたよね」
もはや、この奥さんコールは春の風物詩である。
ロバート馬場ちゃんは、少し余裕が出てきたのか、ゆるパーマをかけていた。

植木市は骨董市を見て回る感覚と近い。
たくさん並ぶ中から、ひょいと目に飛び込んでくるものとの出会い。
今年は、スモークツリーと山椒の苗木がそれだった。
丸っこい葉がかわいいスモークツリー、変わった名前だが、
「白い煙みたいな、毛みたいな、ポワポワしたもんがもうすぐ咲くんだよ。
  うまく説明できないけどさ、おもしろいよ。
  スマホででも探してみたらすぐわかるっから」
と親方は言う。
山椒のほうは、葉(つまり木の芽)を食べてもいいんですよね?という私の問いに対し、
「そりゃまあ、奥さんのほうが詳しいでしょ」
と、なぜかはっきり答えてくれない。
山椒の実はつく?と馬場ちゃんに新たに問いかけるも、
「どうっすかね」とこちらもあいまいだ。
相変わらず、この人たちはプロならではのアドバイスを持ち合わせていないのである。

わからないままに購入。
家に帰ってネットで調べると、
スモークツリーはどうやらすごく大きくなって、
いずれは鉢植えでは済まなくなるらしい。
どーすんだよ。
犬猫を捨てる人のように、あるいは姥捨山のように、
私もどこかの雑木林にこっそり植え捨てたりするんだろうか。

山椒を調べると、雄株と雌株があって、実ができるのは雌株のみ、
苗木のうちは雄雌どちらかは判別が難しく、
開花すると花の形状でわかるらしい。
もし雌株とわかっても、やはり雄株を近くに植える必要があるだろう。
トゲがなく雄雌同種の朝倉山椒ならば1本で実がなるが、
私が買ったのはトゲのあるもので朝倉山椒ではない。
なので、実はおそらく望めないですね。
ま、いいか、葉に触れると、さわやかな香りがちゃんとあるから。
しかし、アゲハチョウの毛虫が山椒大好きだそうで、
見つけたらすぐに取り除かないと全部やられてしまうらしい。
毛虫、やだなあ。見つけたくないなあ。
殺すのもやだしなあ。どこへやったらいいのか。
雑木林に逃したら罪になるのかな。
毛虫を持って出かけるのもキツイよな。

最後まで責任持てない人間は、植木一つも飼っては(買っては)いけませんね。





植木市は昨日・今日で、私は昨日購入した。
今日はいつもの野菜を買い物をするために出かけた。
何となく面倒で、親方と馬場ちゃんに見つからないよう、
反対側を向きつつ歩いていたのだが、
「あー、奥さん〜!!」と親方。
馬場ちゃんをつついて「ホレ、昨日の奥さん」と言っている。
「どーもー」と芳村真理モードで手を振る私であった。