2014年4月23日水曜日

木を買う女2014


この時期、外は光眩しく暖かいのに室内は肌寒い。
ゴールデンウィークに1日も休めないことがわかった
今の私の心のありようそのものであります。

さて、そんな殺伐としたマイライフに、
ささやかな灯となる植木がまた1本やってきました。

毎年恒例、近所の植木市が今年も行われたのですね。
昨年はうっかり逃してしまい口惜しい思いをした。
一昨年はこんな感じであった。



http://yumikowatanabe.blogspot.jp/2012/04/blog-post_22.html


今年もまた、一昨年と同様の2軒の植木屋(やや爺さんと中年の親方職人)
が出ていたが、なぜだか小さな花の鉢植えが多く、
木が欲しくて化粧もせずに帽子かぶって
まるで「夏を待ちきれなくて〜♪」(TUBEではなく新井薫子のほう)な気分で
駆け足で出かけた私には、少々残念な品揃えであった。
その中で、唯一、目を引いたのが、ブルーベリーの木。
私の背より少し低い程度のサイズなので木とは呼べないかもしれないが、
何となく将来有望株な気がした。
「これを育てるのに何か気をつける点は?」と中年のほうの職人に尋ねると、
「あれ、奥さん〜前にもそういうこと聞いてきたよね」と言う。
はい、でました、今年も健在、“奥さん” 呼ばわり。
それもさることながら、一昨年に私が訪れたことをこの職人は覚えているとは。
奥さんにしては、まるで刑事のように鋭い(されどノーメイク)視線で
突っ込んだ聞き方をする変わったヤツだと印象に残っていたのだろうか。
しかしなあ、植木を買うのに、普通はそういう質問しないものなのかしら?
みんな植木に詳しい人たちばかりで、私の質問はくだらな過ぎるのか。
結局、今ひとつ有益な情報を得られないまま、
「奥さん、はっきり言ってすごいお得だよ、これは。
  秋には実がなって食べられるよ」という
セールストークに押されるようにして購入。


家とは目と鼻の先なのだが、
ペンしか持ったことのない奥さんことワタナベは
とても持ち上げられない。
一昨年同様、若い衆(これまた同じ人)に運んでもらう。
青年は、お笑い三人組ロバートの馬場という人に似ている。
一緒に歩く道すがら、私はブルーベリーの育て方に関するいくつかの質問を
彼にしてみた。肥料は?水は?日当りは?
実のなる木だ、しかもまだ一人前とは言えない若い木だ。
結構難しいのではないか、不安なのだ。
しかし馬場ちゃんは「そうですねえ、まあなんつぅか」と歯切れが悪い。
わかったことは「僕は仕事中、喉が乾くと(自分の所の農園の)ブルーベリーを
ちょいちょいつまみます、鳥も狙ってるんすよね」。

職業柄なのか持って生まれた気質からか、
その道のプロから話を聞き出すのが好きだ。
しかし、どうも、植木職人の取材には、まだまだ修業が足りないようである。


追伸:秋に実ると言っていたが、ブルーベリーって夏じゃなかった?





2014年4月16日水曜日

特別な意味

着なくなった洋服をさほど迷うことなく捨てられる人とそうでない人がいる。
私は後者だ。
断捨離したいと思いながらも、何年も前の服が捨てられない。
加えておそらく物持ちがいいほうなので、
着ていない服だけでなく、ずっと着ており捨てられない服も多い。
特に、家で着るカットソーとかTシャツのたぐいは、
ヨレヨレになってきたくらいが着心地が良いのである。
「あなた、その服で電車に乗れますか?」を
捨てるか捨てないかの目安としたら良かろう、と思う。
思うのだが、「乗らなきゃいいのさ、ハハン」とすぐに開き直る。
「あなた、その服で宅配業者の訪問に出られますか?」が身の丈基準か。
(おかしな格好はエプロンで隠すという技もあるのだが)

物持ちの良さは、こんなところにもあらわれる。


詰め替え容器、ずっと昔のものをくり返し使用してきた。
久しぶりに容器ごと購入してみたら、
デザインの今昔に感慨もひとしおである。
ロゴの書体も変えてしまうものなんだなあ。
前のほうがふんわり感が表現されていていい気もするのだが、
野暮ったいってことなんだろう。

しばらく見ていると、「アクロン」ってどういう意味なんだ?と気になってきた。
ライオンのホームページを見たら、
「特別の意味はないが、当時、化学繊維が増えつつあり、
化繊の代表としてアクリルとナイロンから生まれた造語」だとある。
特別の意味はないが、と言っちゃうところがライオンさん、すごいねなんだか。
アクリル+ナイロンが商品名だと知ると、
 アクロンなら毛糸洗いに自信がもてます〜♪ by 小堺一機
は、ウール100パーに対しても自信もてるの? とやや心配になるが。
一方、柔軟剤「ソフラン」はソフトでランランな気分から、だそう。
こちらの場合は、特別な意味があると言えるのか否か。

昔のアクロンと今のアクロン、パッケージもロゴ書体も変わっているのに、
アクロンというものに対しての消費者のイメージは変わらず、
買う時に迷うこともない。
私たちは何をもってしてアクロンはアクロンだと見分けているかというと、
おそらくはその名前とピンク色にある。
アクロンたらしめるに最も重要である名前が、
しかし特別の意味はない、のだ。

その昔ポピュラーだった「エメロン」、これもライオンの製品だが、
こちらは女性的なイメージから宝石のエメラルドを取って、
「エメラルド+ライオン」でエメロンになったらしい。
しかしライオンの面影は「ン」しかないではないか。
なんでロンなのだ。「観音(かんのん)」のような連声的変化か。

洗剤の「トップ」は常に最高の洗浄力を目指すから、
キッチンペーパーの「リード」は一歩先行くキッチンライフからと、
ライオンには頂上系のネーミングもしばしば見られる。
いま、もし最新の洗剤が出るならば「レジェンド」、
ペーパーなら「KAMI(神)」あたりはどうか。
と思ったが、洗剤の「アリエール」(P&G)は
ヘブライ語で「神」の意味なんだそうだ。
ああそういえば生理用品で「Megami」(大王製紙)もあるのだった。


洗剤のCMで、汚れ落ちを比較するパターンが昔からある。
(ライオンの競合、花王のアタックなど)
あれを見るたび、JAROに言いつけてやりたくなる。
自社従来品はまるで汚れが落ちていないのである。
少し前まではその製品で「真っ白になる」と宣伝していたはずなのに、
過去のものとなった途端、黄ばみだらけの仕上がりを悪びれもせず見せている。
詐欺にはならんのですかね? 
と、そんなくだらないところに憤慨する自分は
なんて生真面目で小さい人間なんだろうと、
洗剤CMのせいでなぜかムダに軽く落ち込む。


ところで、衣類の洗濯表示に、40℃などの温度表示がされている。
私はこれが適正温度だと長らく思っており、
しかしそうではなくて、限界温度だと知った時にはちょっとした衝撃だった。
衣類から話がそれるが、ごく最近に知ったことで同様に驚いたのは、
掃除機のコードの黄色テープの意味だ。
赤色はコードの限界、黄色は間もなく限界を知らせるものとばかり思っていた。
しかし、テレビのバラエティ番組で、
実は黄色の意味は「電気コードをここまで出してください」だと言うのだ。
電機メーカーの人がインタビューにそう答えている。
コードを充分に引き出さずに掃除機をかけると、
内部で熱を持ってしまうのだと。
その事実に驚くとともに、それならばなぜ、黄色(=注意信号)を
採用したのだ?という疑問がわいたのだが、
テレビの取材ではそこには触れていなかった。
ここまで出しましょう、なら青色のほうがふさわしいのではないか?
テレビはどうしてそこんとこ、突っ込んで聞かないのだ〜??

気になって仕方ない私は、自分の掃除機のトリセツを見てみた。
「黄マーク以上出さないでください(断線の原因になります)」
どういうことだ。
黄色は限界の印ではないか。
ここまで出してくださいとはどこにも書かれていないぞ。
メーカーによって解釈が違うのか?
限界なのであれば、なぜ黄色ではなく赤色にしないのか。
黄色がストップならば、じゃあ、赤色まで出すとどうなるのか?
赤色については・・・何も触れられていない。
何かよほど、特別な意味があるのだろう。



2014年4月9日水曜日

IKEAよ

先月末、久しぶりにIKEAに行ってきた。

これから山場を迎えるスパイスのレシピ本の編集、
スパイス料理の試作の日々が始まる。
まずはスパイスを多種揃えなければならない。
市販のスパイス瓶は振り出すのを前提に小さい穴があいているが、
ラーメンにこしょうを振るような目分量ではなく、
計量スプーンではかる必要がある。
そのため、穴つきキャップは邪魔であり、更にそれをはずしても
口が狭いためスプーンが入らず実に不便なのですねえ。
口が広くて、なおかつあまり大きすぎず、
手頃な価格の瓶はないものかーと探していたところ、
IKEAの商品で発見したのでした。

IKEAは自宅から1時間かからずに行ける距離にある。
オープン当初、ウキウキワクワク出かけ、
店内物色も楽しいことは楽しかったのだが、
どういうわけか結局、購入したのは紙ナプキンだけだった。
そういえば10代の頃、生まれて初めて原宿に行った時に買ったのは
スマイルマークの缶バッチ1個だったなあ。
おのぼりさんが舞いあがっちゃってまともに買い物できないのか、
期待が大きかっただけに現実を知って冷めてしまうのか、
自分でもよくわからんが。




今回購入したのはこちら、2つで299円(消費税増税前)。
とりあえず5セット10個を購入。
安いだけあって、雑な感じではあるがまあ許せる範囲だ。
大さじは入らないのだが、ほとんどのレシピは小さじなので大丈夫。



ついでにこちらも買ってみた。3個999円。
買う時には気づかなかったのだが、
こちらの容器は底にマグネットがついており、冷蔵庫などにはりけられるのだ。
(中身は商品についているダミー写真のまま) 
こうなっていることで便利かな?
まだ中身を入れていないので実感できておりません。


以前、テレビのドキュメント番組で、IKEAの戦略みたいなことをやっていた。
IKEAの商品は日本の家庭では大き過ぎると思われている、
そのイメージを払拭するため、◎㎥にはこんな感じ、と
コンパクトなスペースに家具をおさめた展示法にしているんだとか。
意外とそんなに“すごく大きくはない”のかもしれないが、
でもやっぱり、大きいものが多いと思う。
家具に限らず、例えばテーブルクロス。2000円以下と安い。
しかしサイズを見ると180×240cm、ラベルには横に3人並ぶ6人掛けのイラストが。
わが家のダイニングテーブルは横2人の4人掛け85×150cmで、
IKEAのクロスだと、たっぷり余る。
横3人のテーブルのある家って、果たして何パーセントなんだ?
大きいに加え、壁に打ちつけるものが多いのも、
日本の住宅事情にフィットしていないと思う。

驚いたのは、IKEAには通販代行なる世界があることだ。
IKEAはネット販売していないのだが、
さまざまな業者が買い物代行をしている。
商品は割高で、先のスパイス瓶2個が配送料込み(関東圏)で1680円とかね。
ひぇ〜。
でも、あれか、店から遠い所に住んでいる人だと
往復の交通費を考えたら、1680円でも安いのか。
そこまでしてでもIKEAの商品が欲しいのか。
IKEAは非公認のようだが、横行しているのは黙認されている証拠では。
なんだかなあ。

お洒落な雰囲気でしかも安いというのがIKEAの魅力なのだろう。
でもどうしてか、家具を買う気にはなれないなあ私は。
せいぜい瓶と紙ナプキンで充分だ。
今回も紙ナプキンを購入しました。
(そんなに紙ナプキンってマストアイテムだっただろうか?)




2014年4月2日水曜日

アメリカン・アペタイザー発売!!




昨年より編集を手掛けてきたレシピ本がようやく出来上がりました!!
著者はフロリダ在住の料理研究家、アンダーソン夏代さん、
『アメリカン・アペタイザー』(アノニマ・スタジオ)です。

前著『アメリカ南部の家庭料理』は、類書のないレシピ本として
大変好評をいただいております(私が編集担当ではないですが)。
第2作となる今回は、アペタイザー(前菜)にテーマを絞り込んだもの。
お酒のおつまみに、ホームパーティーに、
あるいは日々のおかずとしても活用できます。
ポテト、チーズ、揚げ物など子供が好きな料理もたくさん。
じゃあやっぱりヘビーなものが多いのでは?と思われるかもしれませんが、
アボカドやブロッコリー、パプリカ、フルーツなどを使った
ヘルシーな料理も意外と多いのです。

ページ構成は、
・ディップ、スプレッド類
・ナッツ類
・冷製
・温製
・ドリンク
・ディッピングソースバリエ
となっており、各章の合間には、アメリカのパーティー事情などのコラムも。
もう書店に並んでいますので、ぜひぜひご覧ください!!


また、以前にブログでも書きましたが、
私自身も試作を行っているので、
もしご購入いただいた方で、いざ作ってみて何か疑問・質問などが出てきた場合には、
私までお問い合わせくださいませ〜。
できるかぎりのご返答を致します。