2015年4月26日日曜日

木を買う女2015


ようやく仕事のピークが過ぎた。
気分を一新しようと思い、
久しぶりに髪の毛をバッサリ切ってみた。
小粋な大人のボブの予定だったが、
なぜだろう、ちびまる子ちゃんが鏡に映っている。
たいていおかっぱ系で失敗すると、
ワカメちゃんか、ちびまる子ちゃん、
場合によっては麗子像と形容するのがありがちであるが、
しかしそれも若いうちであり、
今の私がちびまる子ちゃんになったというのは
もはや図々しいのかもしれない。
じゃあなんだろうか、南田洋子だろうか。樹木希林だろうか。
誰かに例える必要はあるのか。


さて、今日は毎年恒例の植木市だ。
ちなみに、過去はこんな感じである。

2014年版
http://yumikowatanabe.blogspot.jp/2014/04/2014.html

2012年版
http://yumikowatanabe.blogspot.jp/2012/04/blog-post_22.html


今年も変わらず、中年親方とロバートの馬場ちゃんはいた。
もうすっかり顔を覚えられていた。
私が気になったのはクロモジ。
が、まだちょっと小さくて頼りない感じ。
「これは爪楊枝にもなる木ですよね? 難しくない?」
馬場ちゃんにたずねるも、
「えっ、そうなんすか、自分ちょっとわからなくて」
と相変わらずの新人ぶりだ。
チミはこの1年いったい何を学んでいたのかね?
せめて出展している商品くらい基礎知識を入れてこんのかね?
親方は言う、
「奥さん、いつも買ってくれてるよね。覚えてるよ。
  クロモジは全部で4本あったんだけどさ、他3本は売れちゃった、最近人気あるよね」
はい、ありがとうございます、今年も奥さんコールいただきました。
そいじゃあこれいただきますと言うと
「奥さん、いつも決断力がいいよね、スパッとさ、だんなさんに相談なしにいいのかい?」
「いや、だんなさんはいないんで、自分で決めるのです」
「・・・。まあさ、でもいいよこの木は、ほんと」
私の髪型が変わっても、私の顔を覚えていてくれた。
けれども、私は奥さんではないということはなぜか覚えてもらえない。
だんなはいないと言うと、なぜか話をそらされる。
2016年はどんな会話をかわすのでしょうかね。










2015年4月12日日曜日

噛みグセ

桜を楽しむこともなく、4月もすでに12日か。
1週間後に印刷入れを控えている料理本があり、
今年に入ってから、大半の時間をそれに費やしている。
撮影期間を終えると、家にこもってエンエンと原稿、原稿また原稿。
1日12時間パソコンを見続けていると、夜には涙が流れる。
あんた、泣いてんのねえ。by 松山恵子

3月後半、左下奥歯の詰めものが取れてしまった。
かかりつけの歯医者はない。
前回はいつ行ったのだろう、と振り返ると、
2012年の5月、3年前か。

http://yumikowatanabe.blogspot.jp/2012/05/blog-post_08.html


そういえば、両親が通っている歯医者がいいと聞いていた。
私の家からは電車で20〜30分程かかるのだが、
ついでに実家に顔を出すこともできるから、そこへ行ってみることにした。

こじんまりとしているが品の良い雰囲気、BGMはクラシック、
受付や助手の女性が美しい。
予約時間通り、待たされることなく治療室へ。
先生はどうだろう、私と一緒くらいの年齢か、
耳元でささやくような優しい小声で、
口を開けさせる時には「失礼します」と言い、手つきもソフト。
なるほど、これはいいかしもしれない。

取れてしまったものをクリーニングして、もう一度使えるという。
「1年以内にもしまた取れるようなことがあれば、
 新しいものに取り替えたほうがよいかと思います」
つまり今回はこの1回きりで治療が終わる。
なんて素晴らしい!
1分1秒、時間が惜しい今の私には大助かりだ。
友人から来たLINEに「すごくいいよ〜今度の歯医者」と打つ。

帰りに親の家に立ち寄った。
ちょうど夕飯時で、いなり寿司だったが、
1時間は食事を控えるように言われているので持ち帰ることに。

自宅に着き、いなり寿司を一口、二口食べると、
ゴロリ。
ん? そんなかたい具が入っとるのかいな?

さっきかぶせたばかりの金属がもう取れてしまった。
すでに診療時間は過ぎていたが歯医者に電話をしてみると、
はかなげな声で先生が直接出た。
事情を伝えると、悲しげに謝られ、
では新しいものを作ることにしましょうということに。
なんだよー、いくら優しくったって、ダメじゃん。
新しいものを作る場合、型取りとはめるのと2回行かなければならない。
くー、もったいない時間だったなあ。
通えもしない遠方の友人に「ここいいよ〜」とウキウキ自慢した私はマヌケだ。

その後、しばらくは行く時間がどうにも取れず、
ようやく今月に入って2回行ってきた。
治療後、先生は恐る恐るという感じで
「あの、間違っていたら申し訳ないですが、例えばパソコンをやっている時などに
 奥歯を強く噛みしめるクセがあるのではないかと思われます。
 肩こりがひどくなったりしますし、歯にもよくないので、
 なるべく気づいたら離すようにしていただければと。
 初回の時にもっと噛み合わせをよくチェックすればよかったのですが・・・すいません」
と言った。
なんでそんなに低姿勢なのかわからないが、
自分の噛みグセのせいもあってすぐに取れてしまったということなのか。

最近、テレビの健康番組でも目にしていた、噛み締めグセ。
パソコンの縁に「歯を離す!」と書いた付箋を貼っておくとよいなどとやっていた。
王貞治氏はその昔、噛み締めてバッティングするせいで歯がボロボロになった
という昭和ネタを思い浮かべつつ、自分はやっていないと思っていた。
しかし、やっていたのか。ショックだ。

他の歯もひと通り診たが、特に問題はないという。
ほんとに? 先生、遠慮してんじゃない?
普通は「次回、歯石とりましょう」とか言うんじゃないのか?
知覚過敏については、もう年齢的に歯茎が下がってくるので仕方ないそうで、
「歯を磨く時にできるだけ優しくゆっくりと、お願いします」
と、お願いされた。最後まで先生は小声で低姿勢なのだった。
結局のところ、いい歯医者なんでしょうかね?

今日もパソコンに向かいつつ、時々意識して、
腹話術の人形のように「アー」と口を開けるようにしている。