2014年11月29日土曜日

聖者たちの食卓



http://www.uplink.co.jp/seijya/

渋谷のアップリンクでこちらの映画を観てきました。

舞台はインド北西部の黄金寺院。
ここでは、階層に関係なく、巡礼者や旅行者たちに
毎日10万食が無料で振る舞われているという。
それも500年以上の歴史があるのだ。

映画は終始、セリフなし、主役も脇役もない。
食事がどんなふうに用意され、提供されているかをひたすら見せている。
人々のざわめきや、アルミの食器の当たる音などの喧騒の中に
観る者も身を置いている感じ。
しゃがみこんで、ペティナイフひとつで大量の玉ネギやにんにくを切り、
器用にチャパティをのばしてパンパンッとせんべいを焼くようにひっくり返し、
風呂サイズの大鍋で豆を煮込み、
敷物の上にずらっと座った人々の食器に、お玉で次々とよそい、
床にこぼしながら飲み水を次々と注いでいく。
食べ終えた人々が一斉に立つと、床の汚れをモップで一気に拭き取り、
また次の人たちが座り・・・・
水を汲人・運ぶ人、食器を洗う人・じゃんじゃん投げてまとめる人
などすべてが人海戦術。最新の機械は何もない。
淡々とスピーディーにこなしていくその様子はまさに圧巻。
はあ〜すごい、なんだこの世界は?
ほんとにこんなことが行われているの?という感じだ。
ダイナミックさに圧倒させられながらも、それでいて神聖で静寂な感覚にもなる。
いわゆるグルメ映画ではまったくない。
どんな料理かということよりも、食べるための準備と片付け、
その儀式にも似た一連の流れをひたすら見せる。
そう、まさにこれは儀式だ。
そして、儀式とは、何も特別な宗教的行事や非日常の場で行うものではなく、
私たちの日々の暮らし、3度の食事もまさに儀式なのだなあと思った。


2014年11月19日水曜日

食べる人

食べる人がいる。
私は食べない。食べられない。
あなたは食べる人?
何を?

電車の中で人目もはばからず耳や鼻をほじる人がいますね。
耳をほじる人のおそらく半数は、その指先のニオイを嗅ぎます。
鼻をほじる人のおそらく半数は、取り出したモノを食べますね。
これまでに何人も見てきましたからね、事実である。

帰りの混雑した電車で、
立っている私の目の前に座っていた若い女子。
肩につくかつかないかくらいの黒髪ストレートを七三分け、
メガネをかけ、大きなバッグを膝にのせ、その上で本を広げている。
垢抜けない地味な大学生といった感じ。
特にどうということもないはずだった。
しかし、彼女は本のページをめくる人指し指をおもむろに鼻の穴に突っ込み、
取り出して口に入れた。

爪をかむ女は見るけれど、鼻ほじり&食べる女というのは珍しい。
たいていは男だ。
さらに、その先の行為は想像を絶するものだった。
鼻のモノをひとしきり食べた後、爪を歯と歯の間に入れ、
そこに詰まっているらしいモノを取り出してニオイをかぎ、それを食べた。
前側の歯から何も取れなくなったのか、奥歯にまで着手し、
同様の所作を繰り返す。
時折、古巣の鼻に戻りつつ、たまに耳も加えつつ、
髪の生え際、頭頂部へとまさに食指が動いていく。
まるで指先についたケーキの生クリームを舐めるかのように、
美味しそうに食べている。
まるでバラの花の香りをかぐように、ニオイを堪能している。
視線はあくまで本に落としたまま。

自分から出た分泌物をまた自分で食べる1人リサイクル。
サルが毛づくろいしながら食べているのはノミではなく、
塩分を含むフケのようなものらしい。
彼女も天然の塩分を無意識に欲しているのか。



私は自分の胃がざわつくのを感じながらも、
どうして彼女は食べて、自分は食べないんだろうかと思った。
よく、幼い子は鼻をほじって食べるが、
その行為は恥ずかしい、汚いものだと教えることでやらなくなると聞く。
自分はそのようなクセがあって直されたかどうかは覚えていないが、
少なくとも物心ついてから今に至るまで、
本当はやりたいけど恥ずかしいからやらないわけではない。
いくらでも人に見られずやるチャンスはあるのであり。
食べ物じゃない、汚いモノだから、に尽きるわけだが、
あんなふうに堪能している姿を目の当たりにすると、
ひょっとしてすごく美味しいのではないか、
試さずに無理だと思っている自分はただの食わず嫌いではないか、
一生経験せずに終わっていいのか、という気さえしてきた。


さすがにもうこれ以上ほじれるところはないだろうと思ったが、
彼女はメガネの中に指を入れ、まつ毛の粘膜をなぞり始めた。
そんな掘り出しモノがあったのかと感心しつつ、
私の乗り換え駅に着いたので、その次の行為は見ないようにして降りた。
やっぱり、経験せず終わろう。



2014年11月7日金曜日

ミスターと言えば?

クイズ100人に聞きました。
「ミスターと言えば?」

ミスター・ジャイアンツ。あるあるあるある〜
ミスター・ドーナツ、ミスター・チルドレン、ミスター・ビーン、
ミスター・イトウ、ミスター・ミニット、ミスター・マックス、
ミスター・ロンリー・・・・

とまあいろんなミスターが知られているが、
私にとってのミスター、それは「ミスター・ピーナッツ」に他ならない。
以前にもブログでご紹介しているが  ↓

http://yumikowatanabe.blogspot.jp/2013/12/blog-post_24.html


好きなんである。
いわゆるアメリカの企業モノってジャンルの一つで、
1906年創業のプランターズのキャラクター。
何と言ってもその不気味さが、いい。
特に初期の頃ときたら、泣く子も黙るシュールなオッサン顔だ。
顔はオッサンで、シルクハットにステッキ、片眼鏡という紳士グッズを揃えながらも
レギンスをはいた細い足と、
女物のようなツートンのタップダンス用?シューズの奇妙なバランス、
ナッツのカーブによる腰のラインが艶かしい。
年代を追うごとに変化しており、
50年代くらいまではオッサン風味が濃かったのだが、
60年代以降はかわいく若々しいスマートな青年?に変身、そのどちらも好きだ。
(ヒマができたら年代別の顔の分析と批評をぜひやりたい)

↓こちら同社ホームページ。Historyをご参照あれ。
http://www.planters.com/history.aspx


↓軽快なステップを踏むミスター
https://www.youtube.com/watch?v=j_b3c0driO4



↓女を虜にするミスター

https://www.youtube.com/watch?v=B8RTadXWHyQ


しかし2010年からの現代バージョン、これはアカン、いただけない。
まるで別物。服着ちゃってるし。
今の顔のほうがむしろ私にとってはコワいかも。 ↓



(昔のミスター・ピーナッツが)好きとはいえ、
コレクターな性格ではないので、ほとんどグッズは持っていない。
が、つい先日、思わずポチッと買ってしまいました。
そして今、届いた。
ジャーン。70年代のデッドストックの腕時計。
なかなか手に入らんよ〜おそらく。




長らく腕時計というものをつけたことがないんだけど、
久しぶりにつけてみるかな、あるいは、カバンに入れて持ち歩こうかな。
使うのがもったいない気もするけど、使わなきゃ意味ないもんね。