2013年6月1日土曜日

ギジェルモ・リソット Guillermo Rizzoto に救われた日

この春からの私の仕事の体制は、
前職場である『シェフ』(イマージュ)と、
ごはんとくらしをテーマにした出版社アノニマ・スタジオ、
この2つを大きな柱とし、その他に短期での仕事を受けている。

このところ、〆切等の山場がたまたま重なり、てんてこ舞い。
休日はないに等しい。
心をなくしている(忙)状態のせいなのか、
どうにも信頼できないと感じる(外部)の人間と
仕事上関わりを持たなければならず
ストレスもたまりまくりなのだ。
そうね、テキーラを100杯飲んで、タバコを100本吸って、
時速300kmアクセル踏みっぱなしで運転したい、くらいな気分である。
(男か?アタシは)
しかし、酒は強くないし、タバコも車も持ってないぞ、と。
電車の中でブツブツ文句言ってるおかしな人がたまにいるけど、
わからなくもないなあ。もし、私がいよいよそうなったあかつきには
 ♪人間なんてラララーララララーラー
これにしようと思う。
というかすでに心の中では歌っている。

そんな壊れかけのレディオ状態がピークとなった今日、
(もう日付が変わっているので昨日)
奇しくもギジェルモ・リソットライヴの日と重なった。
おそらく日本ではまだメジャーではないが、
ギジェルモ・リソットは1980年アルゼンチン出身、
母国の伝統音楽をベースに、
繊細な心情を織り込んだようなメロディーを爪弾くギタリストだ。
今はスペイン・バルセロナに拠点を置くらしい。

私は自宅での仕事中、たいてい音楽を流しているが、
その中には、彼のCD2枚も含まれている。
このたび、初来日とあって、ぜひ聴きに行くべし、と
予約しておいたのだった。

大慌てで仕事を切り上げ、会場である、
世田谷区代沢の富士見丘教会へ。
へえ〜教会でやるのか。
予約番号順に室内に通され、5名の長椅子に自由に座る。
私はわりに早かったので、2列目に座れた。
聴客は全部で90名ほどかな、左右各2列追加のパイプ椅子が
並べられるほど満員状態だった。
客層のタイプは固定できない、年齢性別いろいろな感じだ。
小さなマイク一つでほとんど生音だったので、
後部の席の人はちょっとかわいそうだったかもしれない。

CDもいいが、やはり生はいいですねえ。
クルクルヘアにちょっと森の小動物的なかわいさのあるギジェルモ。
昭和人間としては原田真二を思い出す。
じぃっと指の動きを観察してみたが、
決して激しい動きではないのに、どうしてわずか5本の指で
あれほど多層な音が繰り広げられるのだろう。
彼の風貌に似た、優しい音色だった。

帰り際、CDを購入するとサインがもらえるため、
人々は出入口の廊下に列をなしていた。
ちょうど私が会場から廊下へ出た時、脇の通用ドアがあき、
目の前に本人があらわれた。
人々は反対の方向を見ているので彼に気づいていない。私は思わず声をかけた。
感動した、CDは2枚持っているなどと伝え、
彼はありがとうと笑って答えた。
もちろんスペイン語で(ああ、習っていて良かったなあ〜)。
握手したかったが、どうなんだろう、
弾き終えたばかりのギタリストにとって
ひょっとして迷惑かもしれないと
ヤマトナデシコな私は求めなかった。
(その後に気づいた人たちはしてもらっていた様子)

まあどうでもいいさ、そんなことは。
素敵な音楽を聴かせてもらったことで、
イライラを忘れ、今夜は良い気分で眠れそうだ。
ああ、しかしもう3時ではないか。

ライヴは今日が初日で、各地をまわる。
まだ空きがある日もあるようです。こちら。 http://www.inpartmaint.com/guillermo2013/

YouTubeでの音は↓こちらなど。





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