2013年11月4日月曜日

もてなし・なし

このところ、とある会報誌の仕事で、
居酒屋系の店のリサーチと取材をやっている。
はっきり言って、ダメだこりゃ、な店が実に多い。
何がダメって、電話の応対である。
何度電話しても、「オーナーが留守なんで(ガチャ)」とかね。
電話するたび「折り返し電話するから」と言いつつまったくこない。とかね。
こちらの質問に対して、ものすごく面倒そうに冷たく答える。とかね。
多数店舗を手広く経営する企業であっても、
その本社の広報窓口が広報として機能しておらず、
はあ?へぇ? という対応だったり。とかね。

こちらは別に有料で何かしようというのではないし、
リサーチと言っても時間のかかるアンケートをするわけでもない。
2、3の確認事項とともに、それがあてはまっていれば取材を依頼する、
というものである。もちろん忙しい営業時間帯をはずして電話している。
何もメディアに対してへつらって欲しいわけではなく、
何らかの理由で断られるのは仕方ない。
が、節度を持って電話している人間に対して、
もう少しそちらも節度ある対応ってものがあるでしょうに、と
あたしゃ言いたくなるのでございますよ。
過去、フランス料理店相手に仕事していた時には
そんな目にはほとんど遭わなかった。
媒体名や肩書きなどのせいか。
見知らぬフリーライターの社会的地位が
それだけ低く見られているということだろうか。

しかし、あなたたちは接客業を生業としているのではないのかい?
人をもてなすプロが、いくら客の問い合わせではないからといって、
メジャーではない媒体だからといって、
そう露骨に素っ気なくあしらうのはなぜなのだろう。
飲食店検索の画面にツラツラと並ぶ、
“おもてなし第一” “細やかなサービス”的なコピーに偽りあり、だ。


しかし、少数ではあるが、親切に対応してくれる人もいることはいる。
きちんと的を得た回答をしてくれる人、あるいは
いかにも人と接するのが好きといった感じで、
それこそ見ず知らずの今初めて電話をしてきた私に対して、
むしろ話が脱線しつつ長くしゃべり込んできたりして、
(それはそれである意味、ちょっと困るのだけれども)
でも、そんな人にあたるとホッとする。
無意識にもついつい親切心がにじみ出てしまう、
その資質を持っていることこそが接客業には必須ではないだろうか。

ちなみに、サービスの語源はラテン語で「奴隷」から来ている。
ホスピタリティはホスピスなどでも使われるように
「(お客に対しての)保護」が語源だ。
私が言っていることは、ホスピタリティやサービス以前の、
マナーレベルでなっとらん、ということなのだが。



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