2013年11月10日日曜日

食材偽装ネタのごった煮風

なんだかもうわけがわからないことになっている食材偽装のニュース。
悪質なケースもむろんあるだろうが、それはどうなのか?というものまで
マスコミは躍起になって「ここでも!」「こんなことも!」と騒いでいる。
「騙された、許せない」と返金を求める消費者も相当の数にのぼるという。

私はホテルやレストランを擁護するつもりはないけれど、
例えば芝海老というものを、ではそれまで消費者はどこで獲れるどんな海老だと
認識していたのだろうか?
東京湾で獲っていると信じていたのに!!と思っていたのだろうか。

実は海外の養殖物のバナメイ海老が使われていた、
養殖物には抗生物質や漂白剤の残留の問題があり、
客の健康が損なわれる恐れがあるのだ、
といったことを書いているジャーナリストもいるが、それは話がズレてやしないか?

伊勢海老ではなくロブスターだった、というのも意味がよくわからない。
伊勢海老も(狭義では違うけども)広義ではロブスターの一種であるし、
オーストラリア産の高級伊勢海老だとしたらそれは偽装とは違うと思うし、
ロブスター=オマール海老のことなのであれば、
オマール海老だって高級素材としての価値があるのだし、
伊勢海老とオマール海老は身質が違うから
何も嘘ついて書く必要もないしなあ。
そのへんの泥沼で釣ってきたザリガニでも出したんだろうか。
(ちなみに、ザリガニも美味しいものはあります)


一連の報道に出てきているかどうか知らないが、
海老と言えば、手長海老はどうなんだ。
手長海老のグリルとかリングイネといったメニューをよく見るが、
本来の手長海老は淡水に生息する別の海老であり、
正確に言えばアカザ海老だ。
通称として手長海老の呼び名がメジャーになってしまっている。
アカザ海老は国産特有の品種で実は伊勢海老より高い海老だが、
海外の近縁種(どこどこアカザ海老といった名前)で
そこまでは高くないものが入ってきているので、
そこそこの値段で提供できている。
比べなければ海外産でも結構美味しいものだ。
「手長海老と表記されていたが、実はアカザ海老だった」
「アカザ海老と表記されていたが、実は輸入品だった」
と糾弾するのか?


しまいには、フレッシュミルクは市販の牛乳だった、
手づくり風ハンバーグは機械で作っている、
おふくろの味の定食は中年男性コックが料理、と
もうお笑いのネタにされるところまできている。

こうなってくると、そろそろ
グランメール風(おばあちゃん風)やボンファム風(良妻風)あたりも危険か。
「シェフの気まぐれサラダと明記しておきながら、
 実際には事前に真面目に内容を考えて作っていた」
というニュースが伝えられてもおかしくない。

「偽装か?の問いに誤表示と言い張るホテル」
単調な切り口で問いただしても、身を守りたい側はそりゃそう答えるだろう、
偽装の数を声高に言っても、それはもうただある種のお祭り騒ぎを
煽るだけになってしまう。
街頭インタビューで「あのホテルは信用していたのに裏切られた気持ちです」といった
回答ばかりを放映するが、答えているその人は何回くらいそこのホテルで食事を
した経験があるのか、他の意見を言う人は本当にいなかったのか。
悪質であるものの見極めと、そこを正確に突く問い方を
マスコミは学ばなければならないのではないだろうか。
私の立場としては、消費者とシェフ双方の、
食材に対する認識を高めるための情報を発信していきたいと思う。








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