2012年12月21日金曜日

私ではない匂い






















海外のホテルに行くと、
うっ、なんじゃこりゃあ〜?な感じの
ルームフレグランスやアメニティグッズ類の
芳香に見舞われることがある。
日本では嗅いだことのない、妙な匂い。
こっちの人は、こんな匂いをいい匂いと思うのか?
というカルチャーショック。

今、我が家がそうなっちゃってる。
イギリスのPARKSというブランドのルームフレグランスが好きなのだが、
たまたまネットでセールをやっており、
ただし、いつも私が買う種類はなくて、
知らないタイプを2種、値段の誘惑に負けてつい買ってみた。
一つは定番人気とあるし、もう一つも配合成分を見るかぎり
悪くなさそうだったので、まあ大丈夫だろう、と
タカをくくっていた。

数日前に届き、両方いっぺんに開封した。
く、くっさぁ〜。
いつもの香りとまるで違う。
これが定番人気? それって日本市場においての定番なのか?
困ったな。
本当は寝室と洗面所あるいは玄関に置きたいのだが、
あまり主張されるとツライような気がするので、
脱臭剤感覚で定番はクローゼットに、もう一つはトイレに置いてみた。

食べたことのないものをいろいろ試して味覚が鍛えられるように、
嗅覚もまた、好みのものばかりに偏らず、苦手と思っているものも
試しているうちに好きなるかもしれない。
その良い例が、ローズの香りだ。
昔は好きでなかったローズの香りが、この頃好きになった。
ただし、ローズの場合は、正確に言うと、
試しているうちに次第に好きなったわけではない。
ある時から急に好きになるのだ。
友人M.Sもまったく同じことを言っている。
共感する同世代の女性はきっと多いのでは。
その理由は密かにわかっている。
おばさんになったからです。
おばさんはローズが好き。何でなのかは知らないけど。ホルモン不足とか?
なので、ローズ好きであることは、あんまり大きい声では言いたくない。

もしかすると、今はクサイと思っているこの2種の香りが、
しばらく我慢するうちに、眠っていた嗅覚を開花させ、
好き! に変わるのではないか。それを期待しよう。

と思っていたが・・・ダメだ。
クローゼットの洋服は汚染され、トイレは毒ガス室と化している。
この香りを好きだという人も、おそらく世の中に五万といるのだろう。
が、私の感覚からは、どこまで行ってもクサイという反応しか生まれてこない。

人間の嗅覚は鈍感だときく。
確かに、いつも使っていた好きな香りは、
買って1週間もすると慣れてしまい、香っていることをあまり感じなかったりする。
しかし、キライな匂いは、ドアを開くたび瞬時に拒否反応が出る。
フレグランスの場合、生ゴミなどの汚物的悪臭とは違うため、
ひょっとすると、生理的に受けつけないということよりも、
そこに私ではない有機的な何かを感じるのがイヤなのではないか。
誰? これは私ではない、と思うのだ。
いい匂いでしょう、と何かが私に向かって主張してくるのだ。
好きな匂いが空気のように感じなくなっていくのは、
鈍感になったというより
自分にフィットして違和感がないからではないか。

そんなふうに独りブツブツ分析している今もクサイは続行中なのだ。
どーすればいいのだ?
もったいないけど処分するしかない。
が、捨てるにしても、排水口に流すわけにはいかない、
新聞紙か何かにしみ込ませるか?
ゴミ捨て場ですごい香りを発散させて騒ぎにならないだろうか。
近日、友人のMとMとMの3人(全員Mじゃないか、3Mか)が
うちに来ることになっている。
誰かもし、この匂いが好きならば、持って帰ってくれまいか?
残念ながらローズ系ではないが。


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