2012年10月15日月曜日

音楽の記憶

レコードからCDに移り変わる時代、
こんなペラペラのケースのちっぽけなものにすべてとって変わるとは思わなんだ。
レコードかCDかは好みで選ぶんだろう、
自分は当面レコードだけどなあ、くらいに思っていた。
なんせ、ジャケットが小さくなるのがさびしかったもので。
古いヤツだとお思いでしょうが(by 鶴田浩二)
ちなみにケータイもそのノリで、初期の頃はケータイ嫌い派が2〜3割いたので
それはずっと続くものと思っていたら、
いつの間に誰もおらず一人置いていかれたわけだが。
しかしレコードに関しては、気づけば私もCDがあたり前になっていた。
なんでかな。音がどうのというよりも、
傷つけないよう、気を遣ってジャケットからレコードを出し入れしたり、
プレーヤーにセットするのが面倒になっただけなのかも。
それでも昔は「CDを買いにレコード屋へ行く」としばらく言っていた気がするが、
いつからそう呼ばなくなったのだろう。
タワーレコードよりHMVに行くようになってからか。
でも、「CD屋に行く」とは言わず「HMVに行く」と
言っていたのではなかろうか。
何? ひょっとして格好つけてた? 「新星堂」じゃダメなの?
ああそうだ、忘れてしまっていたが、
「六本木WAVE」が好きでよく行ったものだったなあ。

ティーン時代(←ってなんかこっ恥ずかしい言い方だ)、
初めてまともに自分で買ったレコードは
大瀧詠一の「A LONG VACATION」だったと記憶する。
なんでこれを選んだのか、よくわからない。
そんなに好きだったわけでもなかったと思うが。
ある日、家に帰ると、応接間の大きなステレオ(コンポの前時代は
やたら大きい時代でしたよね)に向かって弟が正座していた。
しかし音楽はかかっていない。
「何してんの?」
弟は振り向いた。泣いていた。
「ごめんなさい、お姉ちゃんのレコード掃除してあげようとして・・・」と
致命的なレベルの傷が入った私のロンバケを手にしていた・・・。
いつもバトルの絶えない姉弟ではあったが、
この時ばかりは不憫になり、怒れなかった。


近年はもっぱらAmazonで購入している。
便利だし、安くなりましたよねえ、ほんとに。
中古レコード屋やレンタルなぞに行っていた時代からしたら、
信じられないくらい。
そして、なんといってもiTunesが便利だ。
パソコンにすべてのCDを落としておけば、
いちいちCDを出し入れせずに
音楽を流しておけるのだもの。iTunesだもの。
無線でスピーカーに飛ばせるし。
自分のiTunesを見ると、全部を流すのに11.7日かかると出ている。
結構な量ですなあ。



でも音楽って不思議だ、一度聴いたメロディは覚えてしまう、
タイトルや歌詞は覚えていなくても
イントロを聴けばメロディは口ずさめる。
しかも何千曲も。
10日以上の曲がiTunesに入っていても、
それがシャッフルモードでいきなり流れても、
あれ何この曲?などとは決して思わないのだ。
クイズ・ドレミファドン!の高島忠夫もびっくりだ。
歌詞だって、例えば松田聖子の歌など、
別にiTunesには入っていないし
普段歌いもしないが歌える(ただし古いものに限るが)。
自分がまだ生まれていない昭和初期の歌もかなりの数で知っている。
ナツメロのテレビなどを見て覚えてしまったのだろう。
昭和初期ではないけど、知る人ぞ知る
バーブ佐竹の青いゴムゾーリだって歌えるぞ。
これってしみじみすごいことだなあと思う。
いや、ゴムゾーリじゃなくて。
英単語は一つ覚えるのも苦労する。
人の名前や数字はちっとも頭に入らない。
毎日いろんなことをどんどん忘れていく。
しかし、音楽は覚える気がなくても忘れない。

ならば。世の中のすべてにメロディがつけばいいのにな。








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