2015年6月23日火曜日

中国・煙台の旅2(グルマン世界料理本大賞)


中国・煙台の旅1

http://yumikowatanabe.blogspot.jp/2015/06/1.html



2日目(6月9日)
 

怪しい寿司。これは食べていない。


  ホテルの朝食。
食べきれない数の中華料理がずらり。
中国人客は朝から大量に食べる。
ドラゴンフルーツ、チェリー、スイカなどの果物てんこ盛り、
焼きそばに炒飯、豚バラ煮込みだのガッツリ系料理をやはりドサッと。
みんなパワフルだなあ。
私も負けじといろいろ盛ってみたが、
肝心のお味がねえ・・・どうも今ひとつなんですなあ。


料理本の授賞式は昨日と同様、夕方からで、それまではフリータイム。
ホテルやグルマン会場周辺には目ぼしい観光スポットはない。
伊藤シェフと共にタクシーで街の中心地まで行ってみることにした。

運転手はみな英語が通じない。
ホテルのフロントで行き先を伝え、それを通訳してもらうが、
しかしフロントもあまり得意ではない様子。
地図を広げながら、こちらが求める
中心的な繁華街をぶらぶら散策したいがどのあたり?」が、なかなか通じない。
質問はシェフがやってくれているのだが、私は思ったね。
シェフのたたみかけるような早口の英語よりも、
むしろ私の大平総理的な(アーウー) 、
わかる単語を最小限並べただけの英語のほうが通じる気がする、と。
相手も英語が苦手で戸惑っているのは明らかなんだからにぃ。
とはいえ、「ここはひとつ、私が」としゃしゃり出て、
さもできるのかと思いきや「アーウー」では、シェフが肩をすくめるに決まってる。





中国人男性の多くが角刈りだ。
バックミラーに映るサングラスの運転手は、そこだけ切り取れば西部警察の大門風。
実際には小林旭。
彼らは、よくそのへんでつば?たん?を吐く。さすがマイトガイ。





街には無印良品やアップルストアがあり、
三越クラスと思われるデパートにはスタバやハーゲンダッツなどがあった。






大型スーパーの地下に行くと、
お好みでチョイスするサラダなどのデリが人気。
ビニールを敷きこんだザルに具材をバンバン放り込んでいる。
そのままビニールだけ取り出して口をしばればテイクアウト完了、だ。




ドナルドとミッキーのいとこ? にも出会いました。















裏道に入ると、屋台村のような庶民的な通りがあり、
焼きそばやらイカ焼きやら、いろいろな食べ物が売られ、賑わっていた。
買いに来ている若い女性たちは、
きれいな黒髪をひとつに束ねて(染めている場合は赤の人が多い)、
チュールスカートをはいている。
日傘をさしている人も多い。








麺を食べる。私は青菜のラーメンで8(160)、シェフは牛肉刀削炒麺13元(260円)
シェフもスープ状のものを食べたかったのに、「炒」の文字を見落としたため、
出てきたものは甘いケチャップ炒めだった。

途中、入ってきたカップル、真夏のような陽気のせいか、
男はTシャツを胸の上部までたくし上げ、裸の胴体を出した状態で席に座り、
そのまま食事をしている。
この後、私は街で同様の格好をした男を2人見かけた。
「煙台ではいま、腹見せモードがきてる」のではないか。









夕方、cook bookの授賞式の時がやってきた。
他の日本人の著者たち、例えば『日本料理と天皇』(エイ出版社)の松本栄文氏や、
『一日一菓』(新潮社)の木村宗慎氏らは着物姿で、
それぞれ着物の女性関係者数名を従えているため、
世界各国のメディアが集まる中、カメラが向けられる率が高い。
木村氏には日本のテレビのドキュメント番組のクルーがはりついている。

cook bookは、A〜Fのカテゴリーがあり、それぞれさらに10〜20に分かれている。
『アメリカン・アペタイザー』はC17 US CUISINE部門、
『SPICE CAFEのスパイス料理』はE2のSINGLE SUBJECT部門にノミネートされている。

「Eだから、まだまだ、だいぶ後だよね〜」とシェフ。
Aからスタート、各部門ごとにノミネートの書影が壇上のスクリーンに映し出され、
続いて、画面はグランプリ・準グランプリ・3位の書影に変わり、
コアントロー氏がグランプリのみ読み上げる。
会場の客席で、受賞者とその関係者の歓声が上がる。
グランプリの著者は登壇し、賞状を受け取り、1分程度スピーチ。
グルマンは「料理本のアカデミー賞」なぞと言われているらしく、
テレビで見る、俳優や監督が周囲の仲間にハグやキスしつつ舞台に上がる、
あの感じが繰り広げられるのである。

スパイスがグランプリを取った場合には、もちろん伊藤シェフが登壇する。
が、アペタイザーがグランプリだった場合には、著者のアンダーソン夏代さんは
残念ながら今回来ていないので、代わりに私が賞状を受け、スピーチする必要がある。
さあ、どうする、私。
昨夜から、その場合に備えてコメントを考えていたけれど、
やっぱり英語はできそうにない。
こうなったら、お礼だけ英語で言って、残りはスペイン語でやるしかない。
スペイン語だって自信はないがまだマシだ。
アメリカ料理部門でなぜかスペイン語でスピーチ、
おかしいっちゃおかしいが、背に腹は代えられぬ。



いよいよ、C17の発表。





キターッ。
準グランプリ受賞!!!!!!
壇上でスピーチするのはグランプリのみなので、
私がナタリー・ポートマンやハル・ベリー、ケイト・ブランシェットになる機会は消えた。
それはともかく、夏代さんは前著『アメリカ南部の家庭料理』でも
準グランプリを受賞しているので、2回連続の快挙だ。




興奮冷めやらぬまま、カテゴリーはEに突入。
シェフが水を飲む回数が増えてくる。



E2のノミネート作品は全部で9冊。
グランプリは・・・・“SPICE CAFE!!”   “Japan!!”
やったーと、私は大きな声をあげたように思う。
が、その後は、カメラ担当として壇上のシェフを撮ることに夢中で、
彼のスピーチがどんなだったか、ほとんど覚えていないというか聞こえていない。
(後から日本人関係者に聞いたところ、情熱が感じられる良いスピーチだったとのこと)






コアントロー氏と伊藤シェフ。

各部門のファイナリストとグランプリ・準グランプリ・3位の受賞作品は
↓ こちらで見られます。

http://issuu.com/gourmand_international/docs/gourmand_cookbook_awards_winners_20/295?e=4327854%2F13405484


いや〜、ヨカッタヨカッタ。
とり急ぎ、アノニマ・スタジオの編集者Hさんに
「アメアペ準グランプリ! スパイスグランプリ!」とメールを打つ。


夕食の会場は、たまたま私たちが宿泊しているホテルの宴会場だった。
料理は中華のビュッフェ。写真に撮っていない、つまり、そのような程度でありました。
が、昨夜とは異なり、今夜は「よかろう、くるしゅーない」と喜びで満ち足りている。
先述の木村氏もグランプリ受賞、松本氏の本は特別な殿堂入りを受賞、みなで乾杯する。

↓日本の受賞作品一覧はこちら。

http://cookbookfair.jp/?p=703


煙台と同じ山東省の青島ビールを飲み、中国産ワイン(実は中国はワイン生産が盛ん。
ここ山東省は中国のボルドーと言われている)でほろ酔い気分になり、
そのまま上階の自分の部屋へ。
気まぐれWiFiと格闘しながら、関係者へ朗報を打ち、
ホテルのおばさん臭い石けんでお風呂に入り、就寝。
(つづく)

新疆ウイグル地区のワイン。









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