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エルサレム旅日記2
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9月5日(木)
ひょっとして・・・と、うっすら予感していたが、的中した。
向かいの裸男は、今日はシャツを着ていた。
新年の祝日だからだ。正装なのだ。でも、仕事はしてはいけないはず。
毎日パソコンに向かって何をしているのだろう。株のディーラーとか?
朝食はほぼ一昨日のように戻ったが、温かい料理はない。
コーヒーマシンには布がかけられている。エレベーター同様、お休みだ。
仕方ないのでポットのお湯でインスタントを溶く。
日本人カップルは心なしか、倦怠期を迎えている様子。
男は食事しながらケータイをいじっている。女は黙々と食べている。
正月になることを知らなかったのだろうか。
最初の2日、ホテルは閑散としていたのだが、
昨夜からは家族連れが多く泊まっているらしく、
フロント前をいつ通っても、ソファに大勢の人が座ってワイワイしていた。
何をしているのかはよくわからない。ただワイワイしているだけである。
ホテルの前の通りにあるベンチにもいつも家族連れが座っており、
子供たちは着飾っていた。
ユダヤ教徒たちはみな、嘆きの壁へ初詣に行くのだ。
滅多に見られないチャンス、私も行くぞ。
神社で言うところの手水舎。 |
おお〜集まっているな。
正月は撮影が禁止なので、この距離からが限界。
新年の祝いに、人々は角笛を吹く。
ただやたらにプゥープゥーと鳴っているだけであまり風情はないが。
何やら歌を歌って踊っている人たちもいる。家庭では、リンゴにハチミツをつけて食べるのが習わしだそうだ。
ひょっとしてハウスバーモントカレーはここからヒントを得たのか??と
思ったけど、違いますね、バーモント州からだものな。
昼からは、イスラエル博物館。
紀元前3世紀頃、現存する世界最古のヘブライ語聖典の写本をはじめ、
2000年前のエルサレムの50分の1模型や、各国のシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)内部、
考古学的なコレクション、加えて現代アートや写真などもあり、見ごたえ充分。
庭はイサム・ノグチのデザインだ。
じっくり堪能したのは良いが、気づけば足が棒になっていた。
嘆きの壁からここ博物館までは数キロ離れているが、
私は何を張り切ったのか野山越えて歩いてきていた、その疲労がドドッときた。
併設するカフェやスーベニールショップは正月休み。
ほんとはこの後、ホロコーストにまつわる博物館「ヤド・ヴァシェム」にも
行きたかったのだが、やはり休み。
手持ちの水が少なくなっており、お腹も減り、私は生命の危機を感じていた。
とりあえずタクシーでホテルに戻ろう。
博物館前に止まっているタクシー数台は白タクではなかったと思う。
乗るなり、ハナ肇似の運転手は「ベツレヘムは行かないのか?案内するよ」と
話しかけてきた。断ると黙ったが、私はその時、しまったと思った。
あまりに疲れていたのと、話に気をとらわれ、
メーターのチェックをしていなかったのだ。
いつもなら、乗る前にだいたいいくらかかるのか聞くか、
メーターが動いているかチェックをするのに。
これはボラれるなあ。
ましてや今日はタクシーは開店休業、みんなヒマそうにしているから
私のようないいカモを見つけたらできるだけしぼり取るに違いない。
ホテルにはすぐについた。
いくらよ?と聞くと、運転手は遠くを見て「50」と言った。
ウソを言ってる人の態度そのものだ。
ダメ男に手切れ金を冷たく要求され、別れる女のような私。
アル・パチーノ(若い時の)だったら100あげたかもしれないのに。
相手はハナ肇だ。あっと驚く為五郎だ。
あとで記者氏に聞いたら、25か30かってとこでしょうとのこと。
倍くらいにボラられたのかークソーと思ったけれど、
50シェケル=1350円だ。まあ、かわいいものか。
ホテル近くで唯一開いている2、3のファストフードの中で、
一番マシそうと思った店で、シャクシューカをテイクアウト。26シェケル。
目玉焼き入りピリ辛トマトソース。アボカドと香草のディップとバゲットつき。
味は、まあ、こんなもんでしょう。
ホテル近くで唯一開いている2、3のファストフードの中で、
一番マシそうと思った店で、シャクシューカをテイクアウト。26シェケル。
目玉焼き入りピリ辛トマトソース。アボカドと香草のディップとバゲットつき。
味は、まあ、こんなもんでしょう。
夕食は今夜も東エルサレムへ。
高級ホテル「THE AMERICAN COLONY HOTEL」のダイニング、テラス席。
雰囲気は確かに高級感あるんだけども、サービスはやっぱり粗かった。
ムサッハン。パンの上に、玉ネギと松の実、鶏肉のローストがのっている。
スマックという、日本のゆかりにも似たスパイスがまぶされている。
ああ、スマックを買い忘れたとこの時、気づく。
パンとの組み合わせが今ひとつよくわからない。
焼き汁のスポンジ的役目かとも思うが、汁気はほとんどないのだ。
ここではお酒をオーダーできたので、運転手ではない私はイスラエル産ワインを。
またしてもグラスにたっぷり注がれる。
ミントティーは、ティーバッグを後から入れて紅茶仕立てにするのがこちら流。
しかしリプトンってどうなの? 高級ホテルなんだから、ねえ。
近くから、アザーンが聞こえてくる。礼拝の時間か。
どことなく、石焼き芋の歌に似ている。
記者氏いわく、朗々と美しい歌声の名人クラスもいれば、
イマイチなのもあるらしい。
今夜のはどうでしょう、鐘1つ、か。
■そうそう、イスラエル行って、生命の危機を感じることっていい経験だよね。わたしもマサダの要塞で、バスに置いてきぼりされた時、灼熱地獄でもうだめかと思ったよ。でもよその国だと2時間があっという間だった。■なべさま、ベツレヘム行かなかったの?
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